“陸養”プロジェクト実行委員会は、陸上養殖体験と平行し、身近な「 海 」とそこに暮らす生き物や、海とつながる環境・生態系全体について学ぶ「特別授業」を2023年1月19日(木)に開催したと発表しました。このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
- イベント概要
・開催概要:第3回特別授業「地元の魚を大切に扱う想い」
・日程:2023年1月19日(木)10時25分~12時05分
・開催場所:富山県魚津市立よつば小学校
・参加人数:96人
・協力者:漁師 浜多虎志先生、浜多屋 濱多雄太先⽣
- 感謝の気持ちで魚と向き合う
定置網漁師の浜田虎志さんは、ヒラメの神経締めを実演し、漁師としての活動や想いを話していただきました。漁場が近い魚津では新鮮な魚が手に入りやすい環境ではあるが、温かい地方の魚が獲れるようになり、獲れる魚種が変わってきたことを説明。魚津の環境の良さに頼るだけではなく、魚の質を上げるために神経締めを行う活動をしていることを話しました。ヒラメの血抜きと神経締めの実演を専用の道具を使用して実演。魚を締めるときどんな気持ちで締めているのかという質問に対して、感謝の気持ちで締めていると回答しました。命に向き合う漁師としての想いを伝えました。その後、神経締めと野締めのフクラギを食べ比べ、味の違いを確かめました。神経締めの方が味が濃い、生臭さが全然ない、などの声があがり、締め方の違いを実感していました。
- 地元の魚津で魚を調理する責任
地元の魚津で日本料理店を営む、濱多 雄太氏(浜多屋 魚津駅前店 hamadaya LABO)が講演を行いました。これからの人生で大切にしてほしい3つのこととして①好きなことを見つけること、②人の良さを見つけること、③身近な素敵を「好き」になることをスクリーンに映しながら、自身の実体験も踏まえて説明しました。濱田氏は、昔から料理が好きで、料理人になる夢は小学校の卒業文集にも書いていたことを伝えると子どもたちは驚いていました。さらに自分が苦手としていることは、友達に協力してもらうことで実現出来たことや、魚津市の武器は美味しい魚を漁師さんが釣ってくれることなので、地元で日本料理を調理することの拘りと責任を伝えました。子どもたちは真剣に話を聞きながらも、A4用紙が埋まるほどメモを取っており、講演後は「これまで何匹の魚を調理しましたか?」など積極的に質問をしていました。
- 参加した子どもの声
・神経締めと野締めのフクラギの食べ比べをして、神経締めの方が味が濃く生臭さが全然なく驚きました!
・地元の魚を美味しく調理する工夫や、気持ちを知ることができました。
・自分が食べるまでにいろんな人が携わっていることを知りました。
<団体概要>
”陸養”プロジェクト実行委員会は、「陸上養殖」を通し、水産資源の貴重さ、生命の大切さ、自分たちが住む地域の海の問題について学んでもらい、こどもたちに海の未来について考えてもらう機会を提供すべく活動しています。 2018年4月に陸養プロジェクト実行委員会が発足し、これまで、全国10地域23の小学校(青森・千葉・東京・静岡・埼玉・栃木・富山・長野・愛媛・長崎)で陸養プロジェクトを実施。実施地域の企業や専門家と連携し、地元の海に関する問題や魚の生態等を学びながら、プロジェクトの最後には育てたヒラメをどうするか、学校ごとに結論を出してきました。
プロジェクトの共催にはNPO日本養殖振興会があり、これからの日本を背負って立つ子ども達に、この日本が誇る『人工種苗による養殖技術』の素晴らしさを伝えることを趣旨とし、日本の漁業の将来を担う人財育成及びその人財が活躍できる農山漁村地域での活性化、雇用促進を最終的な目標としています。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。