中小企業の電気、水道料金問題を解決したい。イクシスの「ZEROでんき」、「ZEROみず」とは?

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近年、電気料金は上昇の一途をたどっています。また、水道料金についても今後の値上がりが懸念されており、企業活動と消費者生活の双方に影を落としています。そのようななか、初期費用0で法人向けの電気、水の供給サービスを展開している企業があります。その企業の名前は株式会社イクシス。電気代、水道代に悩む中小企業の助けになりたいという同社のサービス「ZEROでんき/ZEROみず」について、株式会社イクシスの代表取締役である池田浩さんにお話をうかがいました。

目次

初期費用0、そして電気、水道料金のコストカットが可能な仕組みはこうしてつくられる

ソトコト イクシスは「ZEROインフラステーション」として電気、水の供給サービスである「ZEROでんき」、「ZEROみず」を展開されています。このサービスは初期費用0、費用負担なしで導入可能ということですが、具体的にはどのようなサービスなのでしょうか。

池田浩さん(以下、池田) 「ZEROでんき」であれば、病院や工場、商業施設などの屋上や敷地内に太陽光発電システムを、「ZEROみず」なら地下水プラントを設置して、電気・水を供給します。この発電システムやプラントの設置費用を弊社負担で行なうため、初期費用が0となっています。

導入にあたっては、現在の電気、水道の利用状況や立地などの調査が必要になりますが、導入後は既存の料金と比較して、電気料金であれば最大で20%、水道料金であれば最大30%のコスト削減が可能です。

ソトコト 電気料金、水道料金に悩む中小企業の方にはいいことばかりのお話に聞こえますが、いくつか質問させてください。まずコスト面について、なぜ「ZEROでんき」、「ZEROみず」は初期費用0で、かつ各種料金も削減可能というかたちにできるのでしょうか。

池田 初期費用を0に抑えられる理由は2つあって、1つが太陽光や地下水の原価が0であるからです。つまり私たちにとっても自然のエネルギーを利用させてもらうかたちになるため、設備の費用のみを考えればいいわけですね。そして、その設備の費用は、お客様と長期的な契約を結ぶことで、長い期間のなかで少しずつ回収させていただくかたちになっています。具体的に「ZEROでんき」であれば15年、「ZEROみず」であれば10年で、私たちは設備投資を回収します。

「ZEROみず」による地下水の取水システムのイメージ。病院などでの使用も考慮し、深い層からきれいな地下水をくみ上げ、複数回ろ過処理をして水を供給する。

ソトコト なるほど。生活の基盤となるインフラであるからこそ長期的な契約が可能で、そのなかで双方に負担なく設備費用を回収できる仕組みになっているんですね。では続いて、既存の電気料金、水道料金が最大20%、30%という規模で削減が可能な理由は何なのでしょうか。

池田 大手の電気、水道会社による供給は、社会全体で均一に維持されるユニバーサルサービスです。山村や離島であっても公平に利用できる点はいいのですが、逆に言えば個々の状況を反映した効率的なサービスではありません。「ZEROでんき」、「ZEROみず」ではお客様それぞれの利用状況を把握し、最適なシステムを構築することで1キロワット、1リットルの無駄もない電気、水道の供給を行います。これによって従来の電気、水道料金からの削減が可能になっています。

公共サービスをバックアップとして安定性を確保し、普段はお得に電気、水を使えるように

ソトコト 大手の電力、水道会社のサービスはユニバーサルサービスだと池田さんご自身がおっしゃっていましたが、ユニバーサルサービスはその公共性ゆえに、保全などの面についても安定性がある程度担保されているものと思います。「ZEROでんき」、「ZEROみず」による電気、水の供給の安定性についてうかがえますか。

池田 端的に申し上げますと、安定性に関してはこれまでの大手電力、水道会社によるサービスから変わるものではありません。なぜかと言うと「ZEROでんき」、「ZEROみず」を導入いただいても、従来の電気、水道会社との契約を止めていただく必要がないからです。

ソトコト 切り替えるわけではなく、両方契約している状態になるのですね。

池田 はい。そのため電気をつけたり、蛇口をひねったりしたときには料金の安い「ZEROでんき」、「ZEROみず」のものが優先的に使用されるかたちになりますが、従来の電気、水の契約も生きていますので、もし何らかのトラブルで私たちの設置した施設からの電気、水の供給ができなくなっても、その場合は自動的に従来のルートで電気、水が共有されます。そのため、安定性については既存の大手電力、水道会社のものから下がることはありません。

イメージとしては普段は私たちの「ZEROでんき」、「ZEROみず」をお得に利用いただいて、そのバックアップとして公共のサービスが控えていると考えてもらえればと思います。

「ZEROでんき」による太陽光発電および電力供給のイメージ。従来の電力会社との契約はそのまま継続されるため、普段はほとんど利用しなくなるが、緊急時のバックアップとなる。

もちろん、私たちでも万全のメンテナンス体制を敷いているため、ひっきりなしに料金の高い公共サービスの電気、水に切り替わってしまうということもありません。また、メンテナンス費用についても私たちが負担し、保険なども準備し万全のアフターケアをさせていただいています。そのため、契約後はお客様は気にせず使うだけでいいという仕組みになっています。

さらに言えば、もともと中小企業の方向けにリーズナブルで使いやすい電気、水を供給するサービスをつくりたいと思ったきっかけもここにあるんです。

ソトコト 企業を起こした理由ですね。ぜひお聞かせください。

池田 電気、水道の業界から出てくる新しいサービスは、どうしてもやや頭のかたいものが多いんですね。それは職人気質ということで好意的にも受け取れるのですが、現代のビジネス、サービスとはややずれた点があるのも確かです。「ZEROでんき」、「ZEROみず」は契約したらあとは使うだけのわかりやすい仕組みを意識していますが、こういうわかりやすいサービスがないんですよ。どこを見ても、複雑な料金体系で小難しいことばかり書いてある(笑)。

お客様のニーズや、有機的なサービスを提供することが考えられてなくて、たとえば「自社の工場で設備に関わる部品を全部つくっています!」といったこだわりを前面に出していたりするんです。しかし、そのためにコストが増加しているので、本末転倒だと思います。性能や安全性が担保されていれば、その部品が自社製かどうかを気にするお客様はほとんどいないのではないでしょうか。

私たちイクシスには自社工場などはありません。太陽光発電システムや地下水供給プラントの部品は、その都度すべて協力会社にオーダーするかたちを取っています。そういった固定費をかけないことでコストを削減し、かつ導入からメンテナンスまでを一括でお引き受けすることで、お客様が利用しやすいサービスをつくっています。

現代において、電気料金、水道料金などのコストにもっとも苦しんでいるのは中小企業です。しかし、いまの電気、水道業界にはそこを向いたサービスがありません。一番苦しんでいるところに安く、安定して使える電気、水を届けたい。それがイクシスを立ち上げたきっかけですね。

「ZEROでんき」、「ZEROみず」を導入することで、ある老人ホームでは水道料金が年間278万円、ホテルでは電気料金が年間65万円、工場では電気料金がやはり278万円削減できたケースがあるという。

所有からリースの時代へ。持たずに借りることがストレスフリーにつながる

ソトコト 「ZEROでんき」、「ZEROみず」はコスト面、安全面、そして使いやすさという点でも徹底的に利用者の利便性を考えてのサービスだと思いますが、大きな効果があった導入事例などを挙げていただけますか。

池田 今度、ある病院に「ZEROみず」を導入するのですが、そこは昔から敷地内に井戸をつくり、また18年前に別の水道供給システムを導入するなど、自分たちでコントロールされてきたところなんです。しかし、病院の規模が大きくなるにつれて自前のシステムでは供給が間に合わなくなり、結果的に割高な公共の水道を使うことになってしまっていたんですね。今回「ZEROみず」を導入することで、公共サービスの利用をほぼ0にできるようになりました。

ソトコト まさに「ZEROでんき」、「ZEROみず」で助けたかった企業の理想的な例ですね。

池田 コスト削減のために自前のシステムを持つということは、いい取り組みでもあるのですが、そのためには未来を見すえた供給量の予測や、システムのメンテナンスやアップデート、トラブル時の迅速な対応など、さまざまな手間がついて回ります。病院を経営される方は、電気や水道のプロではありません。その点で、私たちのようなプロから供給システム一式をリースされることで、ストレスフリーに動ける側面があるのではないかと思っています。

今後も高騰が続く電気、水道料金。自前のインフラを整備することは経費削減にとどまらない防衛手段

ソトコト ここまで「ZEROでんき」、「ZEROみず」のサービス内容とコスト面、安全面、そしてユーザビリティに関わるお話をうかがってきました。ここで、あらためてイクシスの手がけるサービスについて、中小企業の方へのメッセージをいただけますか。

池田 「ZEROでんき」と「ZEROみず」、この2つを合わせて「ZEROインフラステーション」と呼んでいるのですが、電気と水を両方同じ事業モデルで提供可能な会社は現時点でイクシスだけです。(※2023年5月取材。ビジネスモデル特許出願中)

電気と水は日常生活や企業活動において基盤となる要素です。「ZEROインフラステーション」の導入は、お客様の敷地内にミニ水道局とミニ発電所が置かれることと同じです。「ZEROインフラステーション」を導入することで、今後も高騰が続くであろう電気、水道の利用にかかるコストの削減はもちろんですが、それと同時に災害時の自立性にもつながります。

水や電気といったインフラを、民間の会社、スタートアップ企業ができると思われていない方もまだいらっしゃるかと思います。マーケットとしても空白地帯と言える状況です。しかし、イクシスは発電事業については10年前からスタートし、水については2010年から続く事業を昨年継承して安定供給を続けております。

電気料金と水道料金の高騰は、今後も避けられない状況です。水道料金はそんなに上がらないのではないかと考えられている方もいますが、これからインフラの劣化が進み、その補修には多くの費用が掛かります。このコストを捻出するために利用料金が上がるのは既定路線と言えます。節電や節水の呼びかけなどだけでは、コスト削減には限界があります。ぜひ一度イクシスの「ZEROでんき」、「ZEROみず」の導入を検討していただければと思います。

「ZEROでんき」、「ZEROみず」導入までのステップ。電気、水道の利用状況や立地などをヒアリングし、それぞれの顧客の事情に合わせた提案、サービス提供をすることを特に心がけているそうだ。

閉鎖的な状況を打破し、異業種との化学反応を起こして50年、100年先の未来をつくる

ソトコト では最後になりますが、イクシスの事業の今後の展望についてお話をいただけますか。

池田 電気業界には現在、出力抑制の問題があると私は考えています。出力抑制とは、大手送配電事業者が原子力発電などの既存自社発電所を優先し、太陽光発電所や風力発電所など自然エネルギーの出力を抑制することです。簡単に言えば、生み出せるはずだった電気を捨てているということです。これはすなわち、大手電力会社によって発電事業がコントロールされていることと同義です。また、一度新電力に切り替えてから従来の電力会社と再度契約したところ、料金設定のベースを高額にされたといった問題も発生しています。

しかし本来、インフラとは50年、100年といった長期的な利用を考えていくべきものなのです。日本の生活や経済にとっても電気業界のこういった閉鎖的な状況を解決する必要性は高いと考えます。

そのためにはまず、民間の会社であっても電気、水道などのインフラを提供することはできるということを証明し、それを広く伝え、消費者の皆さんに新しい選択肢を提示することが必要です。また、電気業界のなかだけではなく業界外の存在、つまり異業種との取り組みも必要です。そこで化学反応が生まれることが、業界を外から変えていくきっかけになるのではないかと期待しています。

太陽光や地下水というのは、どこか限られた場所にだけあるものではありません。イクシスの技術とサービスは、日本だけでなくアジアやアフリカなどインフラが整っていない世界の各地域でも役立てられるものだと考えています。「ZEROでんき」、「ZEROみず」を包括する「ZEROインフラステーション」が広がり、都市部でも郊外でも、また先進国でも途上国でも、それぞれの実態に即した経済的で、負荷の少ない電気、水の供給が実現されることを目指していきたいです。

ソトコト 本日は、ありがとうございました。

池田浩(いけだ・ひろし)
岡山県岡山市出身。1994年RKB毎日放送入社。
営業・イベントプロデューサーを経て新規事業開発部門の責任者として、社内表彰・ビジネスモデル特許2件取得。
民間放送連盟委員を務め、全国数十件の放送局で講演を実施。
2018年イクシス創業。太陽光発電事業および不動産事業開始。
RKB毎日放送退職後イクシス代表取締役就任。
2022年水道事業をM&Aで事業買収。現在九州に6か所の大規模自社発電所稼働中。

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